大将がゆく

写真を撮ったり、イラストを描いたり……日本一周の旅をした主夫の日記帳

バイバイ、VTR

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タイトルの通りです。

VTRを手放しました。

日本一周(=47都道府県)を一緒に駆け抜けた相棒でしたが、ここでサヨウナラです。

※想いが溢れて変な記事になりました。ご了承ください

VTRの思い出

デザインに一目惚れ

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バイク旅に憧れた原点はよくよく思い出すと、高校時代に読んだライトノベル『キノの旅』だと思うんですよ。

ポケモンも大好きでしたけど、旅の手段にバイクを選んだのは確実にキノの影響です。

そうすると、相棒のバイクとしては「丸目ヘッドライトのネイキッド」を自然と探すわけです。

ヤマハのSR400やスズキのST250、カワサキのESTRELLAなんかが候補に挙がりましたが、VTRを初めて写真で見たときにトラストフレームに一目惚れしました。

実車と対面してみると、そのフレームの存在感がもたらす一目でVTRと分かるスタイリングが脳裏に焼き付いて即決でハンコを押しました。

イタリアのD社にもそっくりなバイクがありますが、異母兄弟みたいなもんらしいし別に気にしちゃいません(笑)

「優等生」なバイクだった

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VTRは「優等生」と呼ぶのが相応しいバイクと思っています。

こいつしかまともに乗っていませんけど(笑)

足付きも良好だし、ハンドリングは素直、250ccなりにレスポンスしてくれる…

自分みたいな免許取り立てのライダーが最初に選ぶバイクとしては本当に良い選択でした。

でも器用貧乏

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逆に、その「優等生」なキャラ故に器用貧乏で、もっと尖った個性が欲しいと思ってしまうこともありました。

確かに思い通りに走ってくれるんだけど、あまりにも従順すぎてツマンナイ。

自転車に250ccのエンジンを載せたらこうなるんだろうなぁ〜みたいな感じ。

そこがVTRの数少ないマイナスポイントだったのかもしれません。

ありがとう、VTR

まだまだ書き足りませんが、本当に扱いやすくて楽しいバイクでした。

1年にも満たない短い間だったけどありがとう。

南は沖縄の喜屋武岬、北は北海道の宗谷岬まで走ったね。

ホンダの熊本工場にも(正門前までだけど)一緒に里帰りしたね。

最後のツーリングの目的地が免許センターでごめん。しょぼかったね。

君と過ごした14,804kmは一生忘れないよ。

幸せなバイク時間をありがとう。

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今後のバイクライフ

結論から書いちゃいます。

 

一度、バイクから降ります。

 

本当は今すぐにでも新しいバイクに乗りたいんですけど、いくつか理由が重なってこうなりました。

 

中でも家族の反対が最大の理由です。

この「家族」とは妻のことです。

はい、大将は既婚者でした〜 ( ・ω・)ノ

隠していたわけではないのですが、今まで公表するタイミングも理由もなくて…

 

妻にはバイクについて日本一周に向けた準備期間や旅の最中は何とか認めてもらっていました。

でも、日本一周を完走したあと、ずっと心配していた交通事故のリスクを理由に「もう降りて欲しい」とハッキリ言われちゃいました。

どんなに安全運転をしていても、突っ込まれたら怪我をしたり命を落とすのはライダーですからね。

もちろん何度も食い下がってみましたが、妻の意思は予想以上に固く…

そんな彼女も鬼じゃありませんでした。

「その代わり好きなクルマを買っていいから」ですって。

無論、好き勝手に何でも買えるわけもなく「将来増えるだろう家族も一緒に楽しく乗れるクルマ」が条件ですけどね。

楽しかったよ、バイク

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自分にとってバイクは「翼」でした。

去年の秋、自動車教習所で初めてCB400SFのスロットルを捻った瞬間、私の背中に翼が生えて一気に新しい世界が広がりました。

そして普通二輪免許を手にしてから半年も経たずに日本一周へ出発。

今までの27年間の人生の中で一番充実した166日間を過ごすことができたのもバイクのおかげでした。

自転車や自動車では味わえない開放感や爽快感をバイクは私に教えてくれました。

これからも末長くお付き合いできる素敵な趣味を見つけたと思っていました。

でも、意外と別れのときはあっさり訪れるものです。

諦めきれぬ思い

未練?たらたらですよ。

せっかく大型二輪免許まで取ったのに、活躍することなく身分証明書になっちゃった。

ヘルメットからウェア、グローブまでオールシーズン対応で全部で15万円以上かけたけど、どれもワンシーズンしか使わなかったね。もったいないね。

カバーやチェーンロック、ホムセン箱、サイドバッグはこれからどうするの?

 

はぁ…

 

でも、バイクと家族を天秤にかけるまでも無いんです。

自分にはバイクよりも大切なものがあるんです。

妻がバイクに反対する気持ちは痛いほどわかりますし、何よりも自分を大切に思ってくれている証。

だって、本人でさえバイクに乗るときは「今日が命日かもしれない」と心に留めてエンジンを掛けてましたから。

同じ心配を妻にさせてまでバイクに乗り続けるのは今の自分にはできませんでした。

 

だから、気持ちを落ち着かせて、少しでも納得して、ちょっとでもスッキリとバイクを降りられるように、こうして駄文を書き殴ってみたわけです。

 

だけど、まだまだ完全に諦めたわけじゃありません。

というか諦めきれない。

いつか生活が落ち着いて、取り巻く環境が変わったらリターンしたいですね。

免許に賞味期限はないんだし、道具類も捨てずにとっておこう。

なので "一度" なんです。

あくまでも一時的にバイクから距離を置くだけのつもりなんです。


そんなわけで大将の短いバイクライフはここで一旦終了です。

"To move forward, you have to leave something behind"

「前に進むためには後ろに何かを置いていかなければならない」

-- Interstellar (2014)

好きなSF映画の主人公がそう言ってました。

きっと自分にもそんな時期がやってきたんだと思います。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

大将